事業計画書のフォーマットと書き方
事業計画書に必ず書くべき8項目
起業や独立開業において事業計画書の必要性を理解したら、今度はその書き方を確認しましょう。
起業や独立開業の事業計画書を書くにあたって、絶対に入れなければならない項目は以下の8項目です。
- 事業プラン名
- 事業概要
- 市場環境
- 競合優位性
- 参入方法
- 経営プラン
- リスクと解決策
- 資金計画
これらの項目は、起業や独立開業する業種や業態、規模の大小にかかわらず、事業を始める前に必ず設定しておかなければならない内容になります。
そしてそれぞれを書く際のポイントは以下の通りです。
- 事業プラン名
- 簡潔かつ魅力的で、これだけでも何を計画しているのかが伝わるように書きましょう。場合によっては副題を書いても良いでしょう。
- 事業概要
- どのような市場やターゲットに対して、どのような商品やサービスを提供するのかをできるだけ簡潔に書きます。
- 市場環境
- 市場規模や成長性、競合相手の評価などを各種統計データや調査結果をもとに分析しましょう。表やグラフを用いて書くとわかりやすくなります。
- 競合優位性
- 同業種・同業態だけでなく、同ターゲットの異業種競合なども対象にし、優位性や差別化を考え記述します。
- 参入方法
- 計画している事業を、どのように市渇に認知させるか、どのように販売網を築くかなど、事業を実現させるための方法を書きます。
- 経営プラン
- 仕入れ計画、開発・生産計画、人員・組織計画など、事業を継続していくために必要となる計画を書きます。
- リスクと解決策
- 想定されるリスクや問題点を洗い出し、そのリスクの大きさを分析すると共に、対策や解決策を考え書きます。
- 資金計画
- 収支の予測はもちろん、資金繰りなどの計画も考え書きます。また、資金調達の方法やその返済方法、配当などがあればその計画も書いてきましょう。
事業計画書の各項目の書き方
起業や独立開業における事業計画書の中心となる事業概要の書き方については「わかりやすい事業概要・事業内容の書き方」で解説しているのでそちらに任せますが、その他の項目における事業計画書をより魅力的にする書き方をここで簡単に解説しておきます。
競合優位性の書き方
事業計画書において競合優位性を書く際には、競合について明確にすることが大切になります。
例え全く新しい分野の商品やサービスでも、何かしら競合はあるものです。例えば、旅行業者の競合は何も同じ旅行業者だけではなく、旅行同様に休みを費やすディズニーランドやUSJなどのテーマパークや、映画、そして考え方によってはゲームなども入ってくるかもしれません。
競合は、同業種、同業態だけでなく、ターゲットが同じ他業種や多業態にも及ぶのです。そこまで競合を見据えたうえで、それらに勝る優位性を事業計画書に書ければ、事業計画書の説得力はより大きなものとなります。
以下に、競合に対する優位性を訴求するポイントを挙げておきます。
- アフターザーピス
- 商品知識
- 接客
- スピード
- 事業目的
- プロモーション
- 品質
- 価絡
- 信頼性
- ラインナップ
- 立地
- 配送
市場参入方法の書き方
起業や独立開業時の市場参入方法とは、提供する商品やサービスをターゲットにどう知らせ、どう提供し、どう対価を回収するか、などの方法のことを指します。これは、事業の実現性を考える上で中心となる内容なので、ここをどれだけ現実に即し説得力のある内容にできるかで、事業計画書の説得力は大きく変わります。
例えば、日本人の大半が購入したくなるような商品を考案したとしても、その商品を知る人がいなければ、その商品はなかったも同然になってしまいます。同様に、どんなに良い商品でも、それの輸送手段がない、販売場所がない、あるいは販売人員がいない、さらには、対価の確実な回収方法がないなどでは、事業として成立させることができません。
現実的で説得力のある市場参入方法を作るには、商品やサービスの内容を決める前に、集客方法や流通・販売、対価の回収、顧客のフォローなどが確立・確保しやすい事業は何かを考え、その後に商品やサービスの内容を決めるのも1つの方法です。
現実的で説得力のある市場参入方法を書ければ、事業計画書の説得力は飛躍的に上がり、資金や仲間集めの際に大きな力を発揮するようになります。
リスクと解決策の書き方
起業や独立開業すると、どれだけ万全な計画を立てたとしても、不可抗力的な事態が発生したり、計画立案時から時間が経過することで、環境や条件の変化による問題にも見舞われたりしてしまうものです。
どのような事業にも必ずリスクはつきものなので、起業や独立開業をする前にリスクを洗い出し、事前に手を打てることは打ち、起きてからでなければ対処できないことは、その方法を考え準備しておくことが大切になります。
そうしたリスクがしっかり洗い出され、対処法が書かれている事業計画書は、事業計画書を読む人に信頼と安心を与えるのはもちろん、リスクをしっかり洗い出したことが、実際に起業や独立開業した後リスクに直面する確率を低下させ、もし直面してもそれを乗り越えられるようにしてくれます。
こちらでは、起業や独立開業時に想定される主なリスクの種類を挙げておきます。事業計画書のリスクと解決策を書く際の参考にしてください。
- 立地環境の変化
- 後発者の参入
- スタッフの転職・独立
- 代替商品やザービスの登場
- 法改正による営業機会の損失
- 各種の自然災害
- 取引国の政変や景気変化
- 権益を奪われた業界の反発
- 同業者・類似業者の反発
- 物流過程での破損
- 販売不振・在庫増加
- 売掛金の回収遅延